浮体式洋上風力発電実証事業について
中長期的な温室効果ガスの排出削減を進めるために、風力発電をはじめとする再生可能エネルギーの強力な推進が求められています。 洋上は風が強く、その変動が少ないため、安定かつ効率的な発電が見込まれるとともに日本の排他的経済水域の面積は世界第6位であり、洋上には風力発電の大きな導入ポテンシャルがあります( 平成22年度(2010年度)環境省実施の再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査結果より )。
洋上風力発電には水深50m程度までの海底に固定する「着床式」と浮きのように海に浮かぶ「浮体式」があります。浮体式は世界でも実証事例は少なく最先端の技術ですが、日本では海岸近くから水深がすぐに深くなるため、「浮体式」が有効です。そこで国内初となる「浮体式」洋上風力発電の実現と検証に向けて、平成22年(2010年度)から環境省による実証事業が開始されました。
環境への影響について
洋上風力発電は、風車が陸地から離れた海上に設置されるため、一般に景観や騒音、低周波音等の影響が小さいと考えられています。しかし、浮体式洋上風力発電所(はえんかぜ)は日本初となる「浮体式」であったため、環境省による実証事業において、風速や波浪といった気象及び海象観測のほかに、水質、魚類、海洋生物、鳥類(バードストライク)など様々な項目について、環境への影響を事前に調査しました。風車を中心とした周辺海域と椛島内で季節ごとに実施した調査の結果、すべての項目について環境への影響が小さいことが確認されました。